さらに65歳以降も働くサラリーマンに朗報なのが、「在職定時改定」の新設だ。こちらも「手取り」が増える。
これまでは65歳以降に年金を受給しながら厚生年金に加入して働く場合、給料から毎月年金保険料を払わされるのに、70歳になるまで年金額に反映されなかった(70歳以前に退職すればその時点)。しかし4月の改定では、前年に支払った保険料分が翌年の年金額に反映され、働き続ければ66~70歳まで毎年年金がアップする。
いずれも、高齢者にとっての「実質賃上げ」だ。
また5月からは節税効果が大きいiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入要件(現在は60歳まで)が緩和され、年金加入者なら64歳まで加入できるようになり、10月からは「企業型確定拠出年金」(企業型DC)に加入している人も自由にiDeCoを利用できるようになる。
こうした年金改正で投資信託など老後資金運用市場が活気づくという経済波及効果も大きい。
※週刊ポスト2022年2月11日号