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カーシェアリング利用後に覚えのない車の傷の修理代請求… 支払うべきなのか?

 ところが、立ち会い確認をしないで所定の場所に返すだけの約束の場合は、あなたの方で傷がないことを確認しておく必要があります。業者間のカーシェアリングであれば、商法の売買に関する規定の準用で、業者は遅滞なく車の状態を点検し、傷を発見すれば直ちにその通知をあなたにする義務があり、これを怠ればもはやクレームは言えないことになりますが、個人間のカーシェアリングにはこの規定の準用がありません。傷が返却後のものであるといえない場合には、あなたの責任になります。

 オーナーはその後借りた人はいないと主張していますし、返却時に走行距離の確認がなければ、返した後の傷であることを裏付ける材料は乏しいでしょう。しかし、あなたは写真を撮っています。デジカメやスマホの写真であれば撮影日時が特定でき、また拡大も容易です。オーナーが主張している傷と実際の状態を見て、写真と照合し、該当箇所に傷が写っているかを検証することが第一です。傷が明瞭に写っていなければ、傷つけたことを否定すればよいと思います。とはいえ相手は個人オーナーです。まずは写真で理解を得られるよう努めてください。

 個人間カーシェアリングでは、返却時にはオーナーに立ち会いを求めて点検し、その様子を写真に撮るなどして記録に残すことが必要です。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座、B型。

※女性セブン2022年2月17・24日号

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