豊田章男は「否定できない」
3位には、ユニクロを展開するファーストリテイリング社長・柳井正が選ばれた。「事業家としての理念、孤高ぶり、決断力が抜きん出ている」(小川孔輔・法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授)など、経営姿勢を推す声が多かった。
時価総額日本一のトヨタ自動車社長・豊田章男は4位にランクイン。創業家出身として14年ぶりに社長となった2009年以降、世界規模のリコール問題や震災など、様々な危機を乗り越えてきた。
「章男氏の評価は色々あるが、現時点で日本で勢いがある唯一の企業とも言えるトヨタの立役者であることは、誰も否定できない」(フリージャーナリストの前屋毅氏)
創業者の立場ではなくトップ10入りした経営者では、ダイキン工業会長・井上礼之(6位)、伊藤忠商事会長・岡藤正広(7位)に注目したい。両者とも、業績をV字回復させた功労者だ。
「ダイキンの井上氏は業務用空調機器に注力することで世界トップに押し上げた。人事畑出身で人の扱いに長けており、女性の活躍にも早くから目を向けていた」(長田貴仁・流通科学大学特任教授)
「伊藤忠商事が、序列が固定化していた商社の下克上を果たしたのは、岡藤氏のリーダーシップによる」(ジャーナリストの森岡英樹氏)