キャリア

花屋、靴屋、美容師… 憧れの職業「こんなはずじゃなかった!」と辞めた人たち

靴屋「スニーカーの知識には自信があったけど」

靴は好きでも……「好き」なだけでは務まらないのが”仕事”(イメージ)

靴は好きでも……「好き」なだけでは務まらないのが”仕事”(イメージ)

 現在は専門商社で働くKさん(40代/男性)が10代の頃、どっぷりとハマったのはスニーカーだった。当時、NBAの大スターのマイケル・ジョーダンが履く「エア・ジョーダン」が大ブーム。バイト代をはたいてスニーカーを買い集めていたKさんは、「大好きなスニーカーに囲まれながらお金も稼げる!」と、繁華街の靴屋で働き始めた。だが、現実を知るまでに大した時間はかからなかった。

「私はまず、店頭での接客を任されました。靴屋で働くのは初めてでしたが、スニーカーは50足以上持っていて、毎日のようにスニーカーショップを巡り歩いていたので、知識では誰にも負けない自信があったんです。しかしいざ働き始めてみると、そんな知識は全く不要でした。

 客にスニーカーを勧めたり、スニーカー談義を交わす機会など滅多になく、私の仕事の9割は、客が欲しいと言ったサイズの靴を持ってくること(笑)。一日中、在庫が置いてある屋根裏部屋のハシゴを上り下りしてヘトヘト。スニーカーそのものは好きですが、私は好きなもののためならどんなことでも頑張れる、というタイプではなかったことを思い知らされました」(Kさん)

 結局、スニーカーショップを辞めることになったが、スニーカー愛がなくなったわけではないというKさん。他の仕事に就いた後でも、趣味のスニーカー集めは続けているという。

カメラマン「テクニックより大切なものがあった」

カメラマンに必要なのは知識や技術だけではない(イメージ)

カメラマンに必要なのは知識や技術だけではない(イメージ)

 現在、編集者として働くFさん(30代/男性)は、父親が映画関係の仕事をしており、10代の頃から漠然とその方面に進みたいと考えていた。大学は演劇系の学部に進んだものの今ひとつなじめず、卒業後はカメラマンの道を模索。土門拳やロバート・キャパのようなカメラマンになる夢を抱き、アメリカに留学、晴れてカメラマンとしての第一歩を踏み出した。だが、そこで自分の考えの甘さを思い知らされたという。

「カメラマンになる前は、カメラマンの仕事はカメラさえあれば、あとは腕次第でどうにかなると思っていました。自分で撮りたい被写体を探して、その一瞬を切り取ってシャッターを押す。まず大切なのはそのためのテクニックを覚えることだと思ったのですが、それはあくまでスタートラインに立つための条件で、本質は別のところにありました。

 例えば人を撮る場合、より良い表情を捉えるためには、こちらから相手の気持ちをほぐしてあげる必要がある。撮影場所を確保するために交渉する場合もあれば、人が写り込まないようにお願いする場面もある。

 しかし私は人見知りが激しく、緊張すると口調がぶっきらぼうになってしまうクセがどうしても治りませんでした。もちろん“何を撮るか”にもよりますが、コミュニケーション力が高くなければ、やっていけない仕事だと実感して、自分には無理だと諦めました」(Fさん)

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