原則は不動産屋・管理会社に連絡すること
業者を検索する際に注意すべき点はまだある。「満足度No.1」などと表記されていると、消費者からすれば安心かもしれないが、実際は客観的な調査に基づくことなく根拠なしに「1番」をうたったり、自社が作成した比較サイトで恣意的に「優良」「おすすめ」業者として上位掲載したりする悪質なケースもある。
「水道、工事、鍵開けのサイトなどで『実績あり』として、きちんと他社との比較が出ていることがあります。しかし、中には根拠なくNo.1をうたう『No.1商法』や、『嘘の比較サイト』を使った“やらせ”も存在しており、信頼できないケースもある。このように玉石混交の業者がある中で、ネットで信頼・安心できる業者を探すのは非常に難しいと言っていいでしょう」
国民生活センターは、解錠で業者から高額請求されるトラブルに対し、公式サイトやリーフレットで「事業者が作業に取り掛かる前に作業内容と料金を確認し、当初の想定とかけ離れた作業料金であれば、無理にその場で判断せず、作業を断りましょう」とアドバイス。加えて、クーリング・オフができる可能性もあるので、「請求額に納得できない場合は、作業後であってもその場で料金を支払わず、消費生活センター等にご相談ください」と呼びかけている。
前出・三上さんも、「家のトラブル対処の原則は、担当する不動産屋・管理会社に連絡をすること。もし連絡がとれない時間帯なら、近くのホテルやネットカフェ等で時間を過ごして、あらためて連絡するようにしたほうが、業者を呼ぶコストに対して安く上がる場合も多いでしょう。それでも緊急を要するなら、やはり事前に相場を確認しておくことが大切。そして相場より高い高額請求をされそうな場合は、安易にサインしないことです」と助言する。
「家に入れない」と焦りが募ると、冷静な判断ができなくなる恐れも増大する。インターネットを頼みの綱としたいところだが、何も知らずに検索した業者に連絡すると“落とし穴”が待っていることもある。事前に開錠の相場や業者の対応手順を把握しておくなど、不測の事態に備えておきたい。