投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月7日~2月10日の動きを振り返りつつ、2月14日~2月18日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は週間で256.09円高(+0.93%)と続伸。週足のローソク足は2週連続で陽線を形成した。週初こそは191.12円安と反落したが、その後は35.65円高、295.35円高、116.21円高と3日続伸し、週後半にかけて戻りを試す展開となった。
週明け7日は、米1月雇用統計の想定以上の強い結果を受けて金融引き締め懸念が一段と強まるなか、金利上昇が嫌気され、ハイテク・グロース(成長)株に売りが広がった。8日は、引き続き主要中央銀行による金融引き締めやウクライナ情勢の緊迫化への懸念が根強いなか、朝方の買いが続かず、小幅反発にとどまった。
しかし、その後は、米株高を追い風に買い戻しが進展。8日の米国市場で10年国債利回りが一時1.97%と、2019年11月以来となる高水準を付けるなかでも、ハイテク・グロース株が大幅に上昇したことで安心感が台頭。これを受けた9日の東京市場でも値がさグロース株を中心に買いが入り、日経平均は大幅に上昇。午後のトヨタ自動車<7203>の決算を期待した先回り買いなども後押しした。トヨタの決算発表後には一時伸び悩む場面もあったが、最後まで騰勢を崩さず、終日強い動きを見せた。
10日も、9日の米国市場がハイテク・グロース株を中心に大幅続伸したことを追い風に、上昇スタートすると、日経平均は一時27880.70円まで上値を伸ばした。ただ、米1月消費者物価指数(CPI)の発表を直前に控えるなか、3連休前ということもあり、積極的に買い進む向きは少なく、戻り待ちの売りに押されて伸び悩んだ。それでも、好決算銘柄などが個別に物色されるなか底堅く推移し、27500円を優に上回って週を終えた。なお、日経平均オプション2月物の特別清算指数(SQ)値は概算で27835.60円だった。
今週の日経平均はもみ合いか。市場は徐々に落ち着きを取り戻してきたとはいえ、引き続き米国をはじめとした主要各国中央銀行による金融引き締めを意識した神経質な展開となろう。週初は、東京市場の3連休前、10日に発表された米1月CPIの結果や、それを受けた先週末の米国市場の動きを反映することになる。CPIの伸びが市場予想並みにとどまっていれば、あく抜け感から一段の買い戻しが想定されるが、大幅に上回るとなると再び調整を強いられそうだ。
先週は、米長期金利が1.9%台で高止まりするなかでも、ハイテク・グロース株を中心に非常に強い動きがみられた。1月の株価の大幅下落を経て、株式市場は金融引き締めに伴う調整を一気に織り込んだかのようだ。実際、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場は年内の利上げ回数として5回以上をほぼ完全に織り込んだうえ、6回以上の織り込みも進んできている。また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅として0.5%を予想する確率も3分の1程にまで高まっている。