2025年には「団塊の世代」の約800万人が後期高齢者となり、日本は超超高齢社会に突入する。そして、今年から年収200万円以上の後期高齢者の医療費自己負担が1割から2割と倍になり、今後さらに負担が大幅アップする可能性がある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏が指摘する。
「だからこそ、公的制度をフル活用しましょう。『高額療養費制度』では、ひと月にかかった治療費や手術費などのうち、一定額を超えた分が戻ってきます。また、事前に『限度額適用認定証』を医療機関の窓口に提出すれば、支払う医療費が自己負担分のみで済みます」
保険外負担の差額ベッド代や入院時の食事代などは制度の対象外になるので注意したい。
一方、“医療行為と関連する費用”まで対象となるのが「医療費控除」だ。
「確定申告をする必要がありますが、生計を一にする家族分も含めて病院への交通費や医薬品など、年間でかかった医療費の合計が10万円を超えた分が医療費控除され、還付が受けられます」(丸山氏)
高額療養費制度と異なり、補聴器の購入費や人間ドックで重大な疾病が見つかった場合の費用など、医療費控除の対象は広い。ただし、高額療養費制度で払い戻されたお金は対象から差し引かれ、自分で希望した差額ベッド代などは対象外となる。
一定額を超えたら介護費用が払い戻される「高額介護サービス費」制度など、介護費用に備える制度も活用したい。