住まい・不動産

手すり、段差、トイレ…古いマイホームのリフォームを助けてくれる便利な制度の数々

老後を過ごす自宅のリフォームには介護保険を活用したい(イメージ)

老後を過ごす自宅のリフォームには介護保険を活用したい(イメージ)

 2025年に日本社会は大きな転換点を迎える。「団塊の世代」の約800万人が後期高齢者となり、超超高齢化社会に突入する。介護施設不足が深刻化する今後、どこで老後を過ごすのかは団塊世代の大問題だ。シニアの暮らし研究所代表の岡本弘子氏が語る。

「現在でも特別養護老人ホームなどは待機期間が数年に及び、今後はさらなる施設不足が予想されます。体が動くうちに自宅の改修や住み替えなど、住まいの問題に対処しておくことが必要です」

 介護付き有料老人ホームの入居平均年齢は87.1歳(野村総研「平成29年高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究」)。日本人の健康寿命が年々延びているとはいえ、入居までの期間を過ごすうえで、まずは自宅の整備を検討したい。

 庭付き一戸建てのマイホームも築年数が数十年になれば、老後を過ごすには頼りなくなる。

「若い頃に購入した戸建てでは、段差による転倒、風呂場でのヒートショックなどのリスクが少なくありません。まずは、『段差などの家のかたち』『立地の利便性』『医療や介護環境』『家族などのマンパワー』『預貯金などの資金』の5つのポイントを確認し、自宅の弱点を把握しましょう」(岡本氏)

 自宅をリフォームする際には、まずは公的制度の活用を検討したい。

「介護認定を受けていれば要介護度に関係なく、介護保険サービスの住宅改修費が受給できます。自己負担は1~3割で上限20万円。この額を超えた分は全額自己負担になります」(岡本氏)

 自宅の改修費の目安は、手すりを設置すると1割負担で約5000~1万5000円。段差の解消で約1万~2万円などだ。ただし、暖房付き便座への変更(約15万円)や浴室の暖房設備(約20万円)など、対象外となる改修もある。

「介護認定を受ける前や介護保険の対象外の改修を行ないたい場合は、選択肢の一つとして“貸付”を検討してもいいでしょう」(岡本氏)

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