2021年4~12月期連結決算が、売上高・純利益ともに過去最高だったトヨタ自動車。昨年末にはEV(電気自動車)などの電動化に、2030年までに計8兆円もの巨額投資を実施すると発表したことで、5年後、10年後に注目が集まっている。
舵取りをしてきた創業家の豊田章男社長は、今年で在任13年目。3期目となった日本自動車工業会の会長任期が2024年5月に終わることもあり、「次」を選ぶタイミングは遠くないとみられている。
経済ジャーナリストの片山修氏は「トヨタは世襲で成功している数少ない企業」と語るが、これまで“中継ぎ”としてサラリーマン社長の時期も短くなかった。
父・章一郎氏の退任から章男氏就任まで奥田碩氏や張富士夫氏ら3人の“中継ぎ”がいた。そうしたなかで、識者らの見解が一致したのは「次の次」が章男氏の長男・豊田大輔氏だという点だ。
「今回もトヨタは“中継ぎ”の育成に動いています。3~4年前から、大輔氏が就任するまでの社長候補を50人ほど挙げて、厳しく鍛えており、かなり絞り込まれているようです」(片山氏)
報道などで本命とみられてきたのが、ジェームス・カフナー氏。大輔氏が副社長を務める子会社ウーブン・プラネット・ホールディングスのCEOを務める。
「ウーブン社は、モビリティカンパニー(自動車を作るだけでなく、「移動」に関するあらゆるサービスを提供する企業のこと)への変革を目指すトヨタの中心的存在。富士山麓で進める未来型実験都市『ウーブン・シティ』事業や車載ソフトウェアの研究開発を進めている」(経済ジャーナリストの福田俊之氏)