EVか、金融か
EV市場への本格参入を決めたソニーグループ。ここ数年の業績は絶好調で、その「復活の立役者」である吉田憲一郎社長の後継者探しもさらなる成長への課題となる。
ここでは、識者の意見が分かれた。
「ソニーの元幹部によると、吉田社長はEV開発を指揮する川西泉常務を高く買っており、今春設立の『ソニーモビリティ』の社長就任が取り沙汰されています。そこで実績を挙げれば、ソニーグループ本体の社長の可能性がある」(経済ジャーナリストの福田俊之氏)
一方、片山氏は「常識的にはナンバー2の十時裕樹副社長」と見る。
「ソニー銀行を創業した十時氏は同社の伝統であるチャレンジ精神がある。世界的企業をマネジメントするには、経営者としての経験がある十時氏が相応しいのでは」
悩みはそれぞれだが、「後継者は誰か」と話題にできるのは恵まれているかもしれない。
キヤノンやヤマダホールディングスはいずれも後継者と目されていた幹部が急逝して、振り出しに戻ってしまった。株主や従業員らステイクホルダーを多数抱える大企業ともなれば、後継者選びはより重大な任務となる。
※週刊ポスト2022年3月4日号