女性セブンの名物ライター「オバ記者」こと野原広子さん(64才)には貯金の習慣がなく、80万円以上の貯金をしたことがない。そんな野原さんに、行動経済学に詳しいマーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克さんが、お金に関するさまざまな“心理”についてレクチャーします。【全4回の第2回。第1回を読む】
橋本さん:「お得に買えるもの」と「無料」についての問題です!
【Q3】2000円のゴディバのチョコレートが半額の1000円で、板チョコが定価の100円で売られています。どちらを買いますか?
オバ記者:チョコレートを買わなきゃいけない状況といえば、先日のバレンタインかしら。ゴディバが半額だったら、思わずまとめ買いしちゃうかもね。誰かにプレゼントするためにとっておくとか、昼下がりにコーヒーを飲みながらじっくり味わうとか。
橋本さん:なるほど。じゃあこれならどうですか?
【Q4】それぞれ100円引きになり、ゴディバは900円、板チョコは0円になりました。さて、どっちが欲しい?
オバ記者:最初は半額の高級チョコレートに飛びつくわね。でもタダとなったら話は別。もうあられもないですよ。本性をむき出しにして、髪振り乱して手に入れますよ(笑い)。なんでおめおめと無料の商品を見逃さなくちゃなんないのよって。0円となればチョコレートかどうかなんて問題じゃないの。かつおぶしでもたくあんでも、なんでもいいわけよ。
ゴディバはチョコレートとしてじっくりと味わいたいけど、無料の板チョコはもらわにゃ損! 目的が違うし、食べるシチュエーションだって違うんだって。原稿を書いているときに横に置いて、いつのまにか消えているのが板チョコ。ゴディバみたいにかしこまって食べるものじゃないのよ。
橋本さん:だから、2000円の値付けなんですよね。
オバ記者:そうなのよ。チョコレートとして選ぶなら当然、ゴディバだけど、タダとなったら……ねぇ。