洗濯機パンがなく風呂場のドアにホースを通す
Aさんに限らず、リノベ物件は水回りに課題があることが少なくないという。マイホーム購入資金を貯めるため、現在はリノベ団地に夫婦で暮らす20代男性・Bさんも、難点を指摘する。
「うちの場合、配管が古いので、業者が排水管洗浄を定期的にしてくれていても、洗面台やトイレ、キッチン、風呂場などの水回りから、時々下水のにおいが上がってきます。常時臭気が上がってくるというわけではないのですが。
もう一つは、洗濯機パンがないことですね。うちは風呂場の入口のドアに、洗濯機の排水ホースを通す穴があいていて、そこにホースを差して排水しています。最初はとまどいましたが、慣れればなんてことはありません。見た目があまりよくないことと、漏水リスクがやや気になりますが……」(Bさん)
水回り以外でも、不便な点があったという。
「冬は、以前住んでいた築浅の物件よりも寒い。内装は素晴らしいのに、窓サッシと窓は古いもののようで、気密性が劣っているのかもしれません。玄関のドアから風が少し入ってくることもあるので、ドア前にカーテンを引いて対策しています。見た目はきれいでも、ところどころ古さを感じるところはやはりあります。どれだけ妥協できるかが満足度につながると思います」(Bさん)
寝室の真上から水回りの音が聞こえる
防音性にも注意が必要だというのは、リノベ物件に夫婦で暮らす30代男性・Cさんだ。
「住んでみないとわからないのが防音性です。上下、隣の人たちにもよりますが、最初は生活音が気になりました。というのも、うちの物件はどうやらリノベーションで間取りが大胆に変えられたようなんですね。上の人の部屋は、うちの寝室の真上が、どうやら水回りの場所なんです。寝ている時に水の音がして、最初は気になって仕方がありませんでした。今はもう慣れて気にならなくなりましたが」(Cさん)
内装が新しくても、物件自体の築年数の古さは変わらない。その分、家賃も安くなっているわけだが、自分が住んで我慢できる範囲かどうか、引っ越す前に確認できることは確認しておきたい。