一方、一般的に知られている投資では、1つの株に対し、一気に数万~数十万円のまとまったお金を投じ、株価が上がったときに売ることで、利益を得ることができる。もちろん、一度に投じるお金が大きければ大きいほど、株価が下がったときに失う金額も大きく、損する可能性も高い。楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子さんが言う。
「つみたてNISAは、制度そのものが長期分散積立投資に適した設計になっています。毎月一定額を購入して積み立てていく場合、株価が右肩上がりのときは、投資信託も同様に上昇していくので、どうしても高い値段で買わざるを得なくなります。ところが、いまは株価が上下を繰り返しているので、お得に買えるタイミングも出てくるのです。
投資信託の積み立ては、肉を安いときに買って冷凍しておくようなイメージ。肉が値上がりしているときに買うよりも、特売のときに買って冷凍しておいた方がお得ですよね。それを毎月繰り返して、いざというときに解凍するのが、投資信託の積み立てです」
今年は、同じ投資金額の場合、株価が上がっていた昨年よりも多い口数を買えるほか、2024年からはつみたてNISAの制度も新しくなる。いまこそ、つみたてNISAを始めるのにうってつけのタイミングなのだ。
(後編につづく)
※女性セブン2022年3月10日号