お金を増やす実体験をすることで、日頃のお金の使い方にも意識が向いて、「ここを節約すれば、その分投資に回せる」という発想につながり、自然と節約上手になるという。ただし、基本はやはり「長期・積立・分散」。短期間でガッポリ儲けようとせず、あくまでも、無理のない金額でコツコツ積み立てることが大切だ。毎月の金額の上限は「収入の15%程度」にとどめよう。
「お金を使うことはすべて、生活のために必要な“消費”、ぜいたくやムダ遣いなどの“浪費”、そして、将来への備えや自分のための“投資”の3つに当てはまります。1か月の収入を100としたときの理想の割合は、消費が70%、浪費が5%、投資が25%。さらに言えば、投資25%のうち、貯金や投資に15%、自己投資に10%回せるようになるのがベストです」
第一目標は「月収の7.5か月分」を貯めること
3000円投資をスタートしたら、利益を増やすことや月々の投資額を引き上げることよりも先に、ある目標を達成する必要がある。
「毎月、収入の15%を貯蓄するとしたら、投資する3000円以外は貯金に回して、まずは最低でも月収7.5か月分の資産をつくってください。本当に困窮したときのための生活防衛資金として貯めておく半年分と、いざというときに使えるように、給料1か月分の額に少し余裕を持たせた1.5か月分を合わせて、7.5か月分です。これを確保しないまま投資額を増やすと、万が一運用がマイナスになったとき、生活が立ち行かなくなる恐れがありますから」
投資額を増やすのは、盤石の状態ができてから。生活防衛資金は、不安度に合わせて1~2年分ほど持っておくのもいい。それができたら、投資金額を2万円、3万円……と、レベルアップさせていい兆候だ。3年分以上の生活防衛資金は、ただ銀行に預けておくと、むしろ損。横山さんは、「現金はあればあるだけいいという考え方はもう古い」と語る。
「この超低金利の時代に、いくらキャッシュで持っていても、プラスにはなりません。物価が上がれば現金の価値は目減りします。余裕が生まれたら積み立て投資に回して、少しずつ増やしていくのが最善手です」