リスクを取れるなら米国株に注目
では、今後有望と思われる“第二のユニクロ、ニトリ”を探せば、「10倍株」を手にすることも可能なのだろうか。窪田さんは「株価の予測は占いのようなもの」と釘を刺しつつ、2022年以降に注目してもよい業界を挙げる。
「今後は、あらゆるモノをネットにつなげるIoT(モノのインターネット)や、AI(人工知能)などが有力テーマとみられます。また、フェイスブックがメタに社名変更したように、メタバース(仮想空間)の業界にも注目が集まっています」
注目の業界の今後の成長には期待しつつも、投資初心者のうちはやはり堅実な道を進みたいところだ。楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子さんによれば、やはり重要なのは「分散」だ。つみたてNISA(少額投資非課税制度)の対象商品なら「eMAXIS Slim」のシリーズに代表される全世界型分散投資。
「全世界株は、世界全体のさまざまな株式に一度で分散して投資できるもの。リスクとリターンが高いものも、低いものも“ワンプレート”になっている、いわば完全食です。どこか1つの株式市場が下がっても、その他の市場がカバーしてくれる可能性が高いので、個別株ほどのリスクはない。また、保有期間中にかかる信託報酬(運用手数料)が安いのも魅力です」(篠田さん)
長引くコロナ禍で株価の先行きが見えないいま、投資初心者はまず、全世界型でローリスクの投資を始めるのが得策かもしれない。もし、多少のリスクを取っても、リターンが大きい株にチャレンジしたいと思うなら、米国株に挑戦してもいいだろう。家計再生コンサルタントの横山光昭さんもが話す。
「グーグル、アップル、マイクロソフトのほか、石油や天然ガスを扱うシェブロンやエクソン・モービルなどのエネルギー株、インテルやAMDなどに代表される半導体業界も注目です。また、リモートワーク需要で飛躍的に知名度を伸ばしたZoomも、今後時間をかけて注目度が上がっていくと予測します」(横山さん・以下同)