味はぼんやり?「もっと煮込めばよかった」
さあ、いよいよ実食だ。ネット上で紹介されているスープのなかには、かなり白濁しているものもあったが、今回、作ったスープは“ほんのり白濁した”程度。味はというと、たしかに鳥の風味を感じるが、そこまでしっかりした味というわけではなかった。もうちょっと長い時間、じっくりと煮込んだほうがよかったのかもしれない。
しかし、ケンタッキーフラインドチキンの独特なスパイスの味がほんのりと感じられて、ほかでは出せない風味もあった。少々もったいないかもしれないが、骨だけでなく身がついた状態のチキンを煮込めば、スープの魅力も倍増しそうだ。
ちなみに、一緒に食べた同僚は「正直味が薄い。昆布を入れていなかったら、相当ぼんやりしていたと思う。ちょろっと煮込んだだけでは、ケンタッキーフラインドチキンの骨の真価は発揮されなさそう。あくまでも出汁なので、スープの素やめんつゆなどを使って、味付けをしないと難しそう」との意見だった。
適当に20分ほど煮込んだだけでも、それなりの出汁がとれるケンタッキーフラインドチキンの骨だが、やはり本当においしい出汁をとるには、コツも必要なのだろう。
ただ、煮込む時間や手間を考えると、決して手軽ではない。本来捨てるはずの骨を使うので、材料費がかかっているわけではないが、“節約”と呼ぶほどではない。あくまでも、時間の余裕があるときの楽しみといったところか。
とはいえ、いろいろと試してみれば、絶品スープに辿り着けそうなポテンシャルは十分に感じられた。研究する楽しみを与えてくれるのは間違いないだろう。