「自分年金」で節税を
まずは「年金を増やす」という方法。多くの人が60歳時点では国民年金の満額(40年加入)に達していないため、60歳以降に「任意加入」する方法や、妻の年金だけを「繰り下げ」するなど夫婦で考えられる“得する年金受給術”が説明された。
加えて言及されたのが「自分年金」を増やす方法。公的年金以外に、個人年金保険や個人型確定拠出年金に加入すると、所得控除が受けられて税金が戻ってくる“節税メリット”に着眼するのだ。
「個人年金保険で毎月7000円(年間8万4000円)の保険料を積み立てると、所得税と住民税で1万800円の節税効果が見込めます(課税所得330万以上695万円未満の所得税率20%の人の場合)」(北村氏)
銀行預金が超低金利の時代に、節税で賢く資産を増やすのが有力な選択肢であるとよくわかる。
北村氏は最後に「健康で働ける自分をつくる」ことの重要性に触れた。会社員が20~60歳に働くのが8万時間(1日8時間×年間250日×40年間)で、これは定年後の60~80歳の余暇時間(1日11時間×年間365日×20年間)に等しいと指摘。健康を維持して、働いたり、趣味に時間を割いたりできることが何より重要と説明した。
※週刊ポスト2022年3月11日号