新生活シーズン、家具や家電を購入する人も多いだろう。そうしたなかで悩ましいのが、「大型家具をどこまで準備するか」という問題だ。ベッドもほしいが、在宅時間を充実させるためにはソファもほしい。しかし一人暮らしの部屋にそれぞれ置くほどのスペースはない。そうした時に候補に挙がるのが、ソファにもベッドにもなる、1台2役の「ソファベッド」だ。
ただ、せっかく買っても両方の機能を活用できるかどうかは人それぞれ。結局、ベッドとしてしか使っていない人も少なくないようだ。はたして「ソファベッドはソファにしない」説は本当か、実際の購入者の声から検証してみた。
寝心地が悪くてマットを敷く羽目に
IT企業で働く20代男性・Aさんは数年前、社会人になると同時に一人暮らしを始めた。東京都内のワンルームで暮らすにあたり、ベッドとソファの購入に迷ったが、両立できるソファベッドを買うことに決めた。
「ソファが欲しいと思ったのは、寝るところとくつろぐところを分けたかったからです。でも、とにかくスペースがない。ベッドを置くと部屋の半分が埋まってしまい、そこにソファを置く余裕はありません。そこでソファとベッドのどちらの役割もこなせるソファベッドを購入することにしました」(Aさん)
Aさんは数万円で、縦に真ん中で折ればソファになるというソファベッドを購入。当初は1台で2役をこなせる利便性に満足していたが、次第に体に異変を感じるようになった。朝起きても体の疲れがとれないことが増え、腰痛にも悩まされるようになったのだ。
「ソファベッドで寝ているうちに、1時間おきに目が覚めるようになっていました。僕のソファベッドは、ベッドにするとシングルよりやや大きいくらいなのですが、大きさよりも固さが気になるというか……。安物だからかなと思い、今はソファベッドのうえに低反発マットを敷いています。でも、そんなものを敷いてしまうと、完全に“ベッド”としてしか使わず、“ソファ”として活用することはゼロになりました(笑)。最初からベッドを買えばよかったかもしれません」(Aさん)
Aさんはこうした経験から「ベッドとソファの両立問題」について、次のように考えるようになった。
「部屋が狭いのにソファがほしい場合は、ベッドではなく敷布団がいいかも。手間はかかりますが、布団一式を畳んで収納すればスペースを確保できます。ベッド派の人は、収納付きのベッドを買って、他の家具や家電をできるだけ小さいサイズにするか、もしくは何かを置かずにスペースを確保するしかない。いずれにせよ、ベッド使用がメインで、ソファがあったらいいなあ、くらいの人は、ソファベッドでも、ソファとしてよりベッドとしての機能を優先するべきですね。座っているより寝ている間のほうが体への影響は大きいですから」(Aさん)