「どのホールも明らかにお客さんは減っている」
旧規則機撤去後のホールの様子はどうなっているのだろうか。藤井氏はこう話す。
「パチンコはそこまで影響が出ていないようですが、パチスロを打つユーザーは明らかに減っています。旧規則機は1月末で一気に撤去されたわけではなく、時間をかけて段階的に撤去されており、それに伴いパチスロユーザーは徐々に減っている状況。いよいよ5号機がなくなり、完全にパチスロを打たなくなるユーザーが出てきたという感じでしょう。
ホールによっては、5号機を撤去した後に6号機を設置するのではなく、一部のシマを閉鎖したまま営業しているケースもありました。近い将来の営業終了に向けて、段階的にこういった措置を繰り返すホールも増えてくると思います」(藤井氏)
6号機時代への突入に絶望感を抱いているユーザーも多い。都内在住の会社員Aさん(40代男性)は、「打つのが怖くなってきた」と話す。
「お客さんが少ないホールは“設定も入っていないのかな?”という感じで、あまり行く気にならないです。5号機の撤去が始まってから、どのホールも明らかにお客さんが減っていて、“どうせ全台設定1なんだろうな”と思ってしまい、あまり打つ気になれない。また、6号機は出玉の爆発力がないので、ホールでたくさんドル箱を積んでいるお客さんもいなくて、仮に高設定でも大して勝てないというイメージしかない。打てば打つだけ負けそうな気がして、パチスロはもう打たず、最近はパチンコを打っています」(Aさん)
Aさん同様、パチスロをやめてパチンコを打っているというユーザーはそれなりにいるようだ。神奈川県在住の会社員Bさん(30代男性)はこう話す。
「去年、私が通っているホールがパチスロの設置台数を減らして、その分パチンコの台数を増やしたんです。これはもうホールもパチスロに力を入れる気はないんだろうなと思って、それからパチンコを打つようになりました。YouTubeを観ていても、今までパチスロの実践動画を上げていたYouTuberがパチンコに切り替えていて、“もうパチスロは終わりなんだ”ということを痛感しています。今のパチンコは出玉速度が速くて、短い時間で大きく勝てることもあるので、6号機を打つよりは楽しいです」
規制が緩和された“6.5号機”の型式申請
もはやパチスロ6号機に未来はないのだろうか。藤井氏は「復活にはまだ時間がかかるだろう」と予測する。
「パチスロの6号機も、打ってみると意外と面白い機種がありますし、射幸性はそこまで高くなくても、“上手く立ち回れば勝てるかも”と思わせてくれる機種もあります。ただ、一撃で得られる出玉が2400枚までと制限されており、無制限だった5号機に比べて出玉爆発力が著しく削られている印象はどうしても拭えない。結局、この出玉制限をどうにか緩和しないことには、ユーザーは納得しないと思います。
4号機から5号機へと移行した際も大幅な出玉規制があり、5号機の初期にはやはり深刻なファン離れがありました。しかし、少しずつ規制が緩和されるとともに、メーカーの開発努力もあり、再び人気機種が登場するようになった。現在の6号機の状況も5号機初期と似ているものだと思います。時間はかかるかもしれませんが、今後規制が緩和される可能性はあると信じたいところです」(藤井氏)