預金者の対応がそれに拍車を掛けた。一つの銀行がマイナス金利を取るようになると、当然、預金者はお金が減るのが嫌だから別の銀行に預金を移そうとする。だが、他の銀行も預金が集まりすぎるのは困るため、マイナス金利を導入してコストを賄おうとする。玉突き式にドイツ国内の銀行へ、さらに周辺国の銀行へと広がっているのだ。加藤氏が続ける。
「日銀は6年前から政策金利にマイナス金利を導入しており、銀行はコロナ下で政府が国民に配った特別給付金が預金に集まって運用先に苦労している。日銀がマイナス金利を続ける場合、日本がドイツのようになる可能性は考えておく必要があるでしょう」
※週刊ポスト2022年3月18・25日号