今回、都立高校の校則改定で「髪を一律に黒く染める」は全廃されるが、その一方で、生まれつき髪が黒くない生徒やくせ毛の生徒に「地毛証明書」を任意で提出させる校則については、残す学校もあるという。髪型や髪の毛をめぐる校則については、今後も議論が続いていきそうだ。
男子だけマフラーとネックウォーマー禁止
女子だけでなく男子にも苦労があるようだ。IT企業で働く30代男性・Cさんが振り返る。
「僕の通っていた高校では、男女ともに日焼け止めやワックス、においのある制汗剤禁止。うちわや下敷きで扇ぐのも腕まくりも禁止。夏は地獄でした。さらに男子はシャツの下にカラーTシャツは禁止。冬場は男子だけマフラーとネックウォーマー禁止で寒かった……。男子の制服が詰襟だから、それで防寒しろということなのでしょうか。全然あたたかくないんですが」
ちなみにCさんは、どこの学校にもありがちな“当たり前”のように見えるルールにも、不満を感じることが多かったという。
「地味につらかったのが、制服以外での登下校が禁止されていたこと。制服がある学校なら当たり前のように思うかもしれませんが、運動部で大会参加の時も守らないといけなくて、他校がジャージで来ているのに、うちらだけピシっと制服で行って、現地で着替えていました。冬服の時は荷物がかさばってしかたなかった。
あとスペースの問題なのかもしれませんが、教科書を毎日全部持ち帰らないといけないルールもしんどかった。カバンがパンパンでとにかく重い。そういえば、辞書は電子辞書禁止だったので、分厚い英語の辞書もカバンに入れてました。とにかく合理的とは思えないルールが多かったです」(Cさん)
さまざまな校則やルールがあるが、どこからどこまでが理不尽なのか判断は難しい。時代とともに変わりつつある校則やルールだが、かつての学校生活において「納得がいかない」苦い思い出となっている人は少なくないようだ。