高額だから効果的とは限らない
高額であるほど効果がありそうな気がする、という人がいるかもしれないが、そもそも標準治療も、保険適用でなければかなり高額なのだ。
「保険適用の薬剤には、1人2000万円以上かかるものもあります。それを公的保険制度で抑えているだけ。そのため、自分が高額な治療を受けていることに気づかずにいる患者さんもいるのではないでしょうか」
また、費用にかかわらず、がん患者の中には、「家族の闘病生活を見てきたから、自分は抗がん剤治療を受けない」などと、標準治療を拒否する人もいる。しかし、これには大きなデメリットがある。
「自由診療を行っているのは、入院施設などのない医療機関がほとんどなので、具合が悪くなって入院したいと訴えても引き受けてもらえません。症状が悪化してから、標準治療を受けようと決意しても手遅れだったケースも多々あります」
どんな治療を選ぶかは患者の自由だ。しかし、悔いのない治療を望むなら、まずは標準治療をひと通り試すのが妥当なようだ。
セカンドオピニオンは1回約3万円
看護師として、多くのがん患者を見てきた賢見さんは、自分ががんになったらどう治療するかをよく考えるという。
「私に金銭的な余裕があったら、主治医に頼んで、栄養士さんによる食事指導とか、カウンセリングなどをしてもらい、心理面を支えてもらう方にお金を使いたいと思っています」