投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月14日~3月18日の動きを振り返りつつ、3月22日~3月25日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1664.65円高(+6.62%)と5週ぶりに大幅反発。週足のローソク足は5週ぶりに大きな陽線を形成したが、依然として13週移動平均線(27317.47円)には遠く及ばない。
週明け14日の日経平均は145.07円高。ロシアとウクライナの関係者らが、停戦交渉で具体的な進展があったとの認識を示し、停戦期待が高まったほか、政府が「まん延防止等重点措置」解除基準の緩和を検討との報道も支援要因になった。15日は38.63円高と小幅続伸。原油相場の反落やドル高・円安進行のほか、中国の経済指標が予想を上振れたことがサポート材料になった。16日は415.53円高。米2月生産者物価指数(PPI)が予想を下回ったことでインフレ懸念が緩和。連邦公開市場委員会(FOMC)の公表結果前に持ち高調整の買い戻しも入り、堅調推移。午後には、中国当局が資本市場にとって好ましい政策措置を打ち出す方針との報道を受けてアジア市況が急騰したことで、日経平均も上げ幅を広げた。
17日は890.88円高と大幅高。注目された連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ptの利上げが決定。今後の政策金利見通しでは今3月会合を含め年内7回の利上げが示され、タカ派的な内容と受け止める向きが多かった。ただ、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が政策の柔軟性や経済の強さを強調した点などが好感された。
週末18日は174.54円高。ロシアがドル建て債の利払いを実施したと伝わったことが好感された。一方、日経平均は前日までの4日続伸で1500円近く上昇していたため、利益確定売りも出やすく、国内3連休前ということも相まって上値の重い展開が続いた。ただ、序盤に大きく下落していた香港ハンセン指数が持ち直したことや、FTSEの定期見直しによる需給インパクトもあって、取引終盤にかけて上げ幅を広げる動きとなった。
今週の日経平均はもみ合いか。国内は月曜が祝日で立会いは4日に限られる。FOMCを通過したことで目先はイベントに乏しい。国内外で経済指標などの発表も少なく、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクを睨んだ展開となりそうだ。
注目されたFOMCを波乱なく通過したこともあり、投資家心理は幾分改善してきている。そうしたなか、今週は3月期末に向けた需給期待が相場を下支えしそうだ。一部の外資系金融機関は1、2月の株式相場の大幅な下落を受けて、年金基金や政府系ファンドが四半期末に向けたリバランス(投資配分の再調整)による株式買いを行うとみており、世界の株式相場を5-10%引き上げる可能性があると予測している。また、3月29日の権利付き売買最終日が近くづくなか、配当権利取りを狙った現物株の売買が下値を支えることが期待される。権利付き売買最終日前後には指数連動型インデックスファンドの配当再投資に伴う先物買いが入ることが想定されるが、それを見越した先回り買いなども相場の支援要因となりそうだ。