インターネットテレビ局のABEMA(アベマ)が、11月に開幕するサッカーワールドカップ(以下、W杯)カタール大会の全64試合を無料で生配信することを発表して、注目を集めている。そもそもABEMAとはどのようなサービスなのか。無料会員と別に有料会員制度もあるが、その違いはどこにあるのか、解説しよう。
有料会員はW杯の「追っかけ再生」も可能
ABEMAによると、W杯については〈ライブ配信史上最高峰であるフルHD(1920×1080p)の映像解像度で、動きの速い競技シーンもなめらかに捉え、高品質な試合映像を提供いたします〉、〈アベマで過去最高の約3倍を想定した配信キャパシティを構築し、安定した視聴環境を提供いたします〉とのことで、快適な環境のもと高品質な映像での生配信を目指すという。
生配信終了後の“見逃し配信”での無料視聴や、生配信中のコメント投稿も可能。ダイジェスト番組などのオリジナルコンテンツも配信される予定だ。生配信中に試合の最初から再生する「追っかけ再生」と、試合終了後のコメント閲覧は、月額960円の「ABEMAプレミアム」会員のみの機能となる。
2002年日韓大会以降のW杯では、NHKと民放各局が一括で放送権を購入していた。しかし、カタール大会では放送権料が高騰した影響で、NHKが21試合、フジテレビとテレビ朝日が各10試合ずつの放送権を購入するにとどまっていた。つまり、ABEMAが放送権を獲得しなければ、日本国内での“W杯全試合無料視聴”は不可能だったかもしれないのだ。
まさにスポーツファンにとっては救世主となったABEMA。乱立する動画配信サービスの中でも、独自の存在感を見せている。その特徴を見ていこう。