ABEMAでしか観られない人気番組も
ABEMAを運営する株式会社AbemaTVは、サイバーエージェントとテレビ朝日の共同出資により、2015年4月に設立された。動画配信サービスというと“定額制の見放題”のタイプが多いが、ABEMAはまさに“テレビ”のように複数のチャンネルで、番組を24時間生配信している。生配信後の番組は一定期間無料での“見逃し配信”が可能。さらに見逃し配信の無料期間が終わった番組については、基本的にABEMAプレミアム会員向けの配信となる。また、無料会員は番組視聴時にCMが流れるが、有料会員はCMが流れない。
では、どんな番組が配信されているのだろうか。エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏が説明する。
「国内ドラマ、韓流ドラマ、アニメ、音楽番組、バラエティー番組など、ジャンルは多岐にわたります。ドラマであれば、過去に地上波で放送された作品もありますし、オリジナル作品もあります。また、麻雀、釣り、競輪などの趣味の専門チャンネルも充実。スポーツでは、格闘技、MLB、大相撲などが中継されています。バラエティーでは、ABEMAでしか観られないオリジナル番組も多く、たとえば千鳥MCの『チャンスの時間』や深夜の帯番組『The NIGHT』などは特に人気です。あとは、恋愛リアリティー番組が充実しているのも大きな特徴で、その結果、比較的若い世代との親和性が高いサービスと言えるでしょう」
W杯配信がターニングポイントになるか
番組ラインナップも豊富で、オリジナルコンテンツも多いABEMA。基本的に無料で多くの番組を楽しめるが、有料会員になる価値はどこにあるのだろうか。
「オリジナルコンテンツの過去の放送回を観られるのは基本的にプレミアム会員だけなので、それを観たいのであれば、会員になる価値は十分にあると思います。CMが流れないことでストレスが減る人もいるかもしれません。
ただ、ABEMAの大きな特徴は、ほかの動画配信サービスと違って、タイムスケジュールに沿って生配信される番組を無料で観られるところだと思います。つまり、地上波テレビと同じ感覚のサービスであって、だからこそ無料であることこそが最大のメリットだとも言える。もちろん有料会員になれば自由度はかなり高くなりますが、無料会員でも十分すぎるくらいにコンテンツを楽しめる。地上波テレビをオンタイムで観て楽しんでいる習慣があれば、プレミアム会員にならなくても楽しめると思います」(大塚氏)
W杯の全試合生中継によって、利用者の増加が見込まれるABEMA。ネットでの動画配信サービスにおける存在感も高まりそうだ。