なぜ“素手”でトイレ掃除?
専門商社で働く20代男性・Cさんは、軍隊式の新人研修で「素手でトイレを掃除」をさせられたが、そこに意味を見出せなかったという。
「スマホを没収されて、3泊4日の間、社訓を大声で叫んだり、20キロ以上歩くみたいな軍隊式の研修を受けさせられました。『“人罪”になるな。“人財”になれ』というのが決り文句。特に私がつらかったのは、過去の自分の過ちや失敗談、恥ずかしいことを皆の前で発表するというものでした。それを吐き出すことで、ダメな自分を認めて一皮むけるみたいな理屈でしたが、なんで自分のトラウマを吐き出さければなれないのか……。
社長が“素手でトイレ掃除をすることで、大切なことが学べる”という考え方だったので、それも研修の一つでした。自分たちで掃除をすることで、なるべく汚さないように使おうと考えたり、日頃掃除をしてくれる人への感謝は生まれるのは確かですが、それが“素手”じゃなくちゃいけない理由はあるのでしょうか? 転職してからは、そういった研修エピソードが酒の席で話す“鉄板”になり、笑い話で語れるようになりましたが、いまだに理解できませんね」(Cさん)
新入社員の研修内容は企業によってさまざま。そこで理不尽な思いをした社会人は、意外と少なくないかもしれない?