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物価上昇局面でなぜ値下げできた? アルペン、すかいらーくに聞いてみた

お値頃価格帯の商品を拡充するメニュー改定

 長引くコロナ禍の影響で収益が厳しい飲食業界では、昨年から徐々に値上げが始まっている。牛丼チェーンの野家、すき家、松屋が輸入牛肉や原油価格の高騰を理由に牛丼の値段を引き上げたほか、今年に入ってからは丸亀製麺やミスタードーナツも原材料費、人件費、物流費の高騰により10~50円程度の値上げを実施している。

 そんななか、すかいらーくグループはコロナ禍という逆境にありながら、期間限定でテイクアウト価格の値下げキャンペーンを展開(3月3日で終了)。テイクアウトピザを通常より108円安い431円で提供するなど、食材高騰のなかで値下げを実現できた理由について同社に尋ねた。

「自社サプライチェーンを活かし、複数業態における食材の一括調達と、10か所あるセントラルキッチンにおける一次加工体制を強化し、原価低減をはかる工夫をしております。例えば、複数業態で使用するチキンの原料は、スケールメリットを活かした一括調達で原価低減をはかり、セントラルキッチンでは機械化も推進することで製造の効率化をはかり、加工費を最小限に抑えています」(広報室)

 今後の値下げキャンペーンについても「ガストやバーミヤン、夢庵などの業態においては、4月にお値ごろ価格帯の商品を拡充するメニュー改定を予定しております」(広報室)としている。

 インフレ局面にあるからこそ「値下げ宣言」を繰り出す気骨ある企業が、これからさらに出てくるかもしれない。

※週刊ポスト2022年4月8・15日号

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