カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

急騰したドル円相場 注意すべきは「値頃感のトレード」

値頃感の取引には要注意(イメージ)

値頃感の取引には要注意(イメージ)

 3月28日、ドル円は2015年8月以来の1ドル=125円に到達した。市場関係者の間では3月だけで約10円も高騰したドル円相場に“過熱感”を指摘する声も少なくない。はたしてこうした相場ではどのような姿勢でトレードに臨めばよいだろうか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。

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 ロシアとウクライナの戦争が始まってから1か月が経ちましたが、先行きは不透明なままです。ウクライナ情勢の影響を受ける金融市場も不安定な状態が続いており、ドル円相場に目を向けると、一時1ドル=125円に到達するなど、3月に入り様相は一変しました。

 急騰したドル円相場を見て、「そろそろ下落するかもしれないので、売ってもいいのではないか」と考える投資家もいるかと思います。しかし、そうした“値頃感”からの取引は投資家にとって危険なものでもあります。

 値頃感とは、特に理由や根拠がなく「これはちょっと売られ過ぎ」とか「買われ過ぎだからそろそろ下落するだろう」などと感じることです。ときには希望的観測に過ぎないケースもありますが、こうした感情は相場を見ているとよく生じるものでもあります。

 ただし、「感覚的な『買われ過ぎ』や『売られ過ぎ』で安易にエントリーする」ことにはリスクがあります。

 トレーダーの中には「1ドル=120円台中盤まで上昇すればショートして、1ドル=120円近辺で利食いをすればいいか」などと安易に考える人もいるかもしれませんが、エントリーの根拠が弱く、リスクリワード(利益と損失の比率)などを考慮しないままトレードするのは危険です。たとえそれがうまくいったとしても、長期的に勝てる投資家になる道が遠のいていると言えるでしょう。

 一方で、自分自身の確固たる根拠やサインをもとにエントリーするのであれば、それは問題ありません。ルールを守るということはトレードにとって非常に大事な要素なので、継続したほうがいいと思います。もちろんそのルールがトータルで勝てるということが条件にはなります。

 私のトレードスタイルとしては、直近のドル円のように上昇トレンドが明確にチャート上で確認できるときは、どんなニュースが出ていてもチャートを信じて、とことんついていきますし、そのトレンドが変わったというサインが出れば撤退します。ニュース報道を参考にトレードする方もいるかと思いますが、過去の相場でも報道が“後付け”となるケースは往々にしてあります。実際今回も、ニュースが出る前からドル円の上昇トレンドのサインがいくつも出ていました。そう考えると、淡々とチャートに沿ってトレードすることが勝ち組投資家への近道だと考えます。

 結局最後は、ブレずに自分の信じたトレード手法で取引を進めることが大切です。これが、長年相場で生き残るための秘訣とも言えるでしょう。もちろん、そうした術を投資の初心者が持ち合わせいないのは当然です。ビギナーの人はそうした投資の基礎を教えてくれる人を見つけ、しっかりついていくことから始めてみるのもいいのではないでしょうか。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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