旅行中に大きな地震が発生し、想定していた移動手段で帰れなくなってしまった──そんな状況に遭遇した場合、どう行動したらよいのだろか。3月16日23時36分頃、福島県沖でマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生し、東北新幹線が運休した。旅先で同地震に遭遇した人の話を聞いた。
都内のマスコミ関連企業に務める40代の女性・大野さん(仮名)は、地震発生時、旅行で仙台港近くのホテルに泊まっていた。
「一人旅で、17日に東京に戻る予定でした。それで最後の夜をゆっくり過ごそうとホテルの部屋でくつろいでいた時に、地震が発生したんです。これはかなり大きいと思って、すぐに逃げられるように着替えて荷物をまとめました。あとスマホが電池切れにならないようにと思い、とりあえず充電していました」
その後、ホテルの係員が部屋に訪れ、上階への避難を促されたという。
「私が泊まっていたのは2階の部屋でしたが、ひとまず4階の通路で待機するように指示されました。そこから1時間くらいして、津波の心配もなくなったということで、部屋に戻されました」(大野さん・以下同)
部屋に戻った大野さんは、テレビのニュースで東北新幹線の脱線事故を知った。
「このときはまだ状況がちゃんと把握できていなかったので一旦寝ました。それから朝の7時半くらいに起きてニュースを見たら、脱線事故の状況が思ったよりも大変そうだということがわかったんです。どうやらすぐに復旧する感じではないな、と。
それを知って、予定していた新幹線とは別の手段で帰らなければならないと思って、すぐにスマホで高速バスの予約サイトにアクセスしました。でも、同じようなことを考えている人が多かったのか、全然つながりませんでしたね。40分くらいトライしたんですが、全然ダメでした。仕方なくチェックアウトして、仙台駅に行く路線バスを待っている間にもう一度トライしたら、やっとつながったのですが、当日の予約はもういっぱいだったので、2日後の19日出発の東京行きの高速バスを予約しました」