不在時であろうとも自動で掃除してくれる「ロボット掃除機」。ドラム式洗濯機や食器洗い乾燥機と並び、家事負担を軽減できる「時短家電」として支持されてきたが、その売れ行きに変化が生じているようだ。調査会社GfKジャパンによると、2021年の国内掃除機販売台数はロボット型が前年比4%減少した一方で、スティック型は前年比で3%増加。毎年増加傾向だったロボットタイプが減少に転じたのは、2014年以来7年ぶりだという。
なぜ、ロボット掃除機ではなくスティックタイプが支持されるのだろうか。実際に“ロボット掃除機離れ”した人たちに話を聞いた。
在宅勤務でロボット掃除機は音が気になる
「たしかに在宅勤務になってから、ロボット掃除機を使う頻度が減りました。これまで、ロボット型がメインでスティック型はサブという立ち位置でしたが、今は逆転しています」
そう明かしたのは、人材紹介会社に勤務する30代男性・Aさん。1LDKに一人暮らしをしており、コロナ前はロボット掃除機をよく利用していたというが、在宅勤務が長くなるにつれて状況は変わった。
「コロナ前は、出勤している間に掃除が終わっているなんて、と感動したものでした。掃除をしなくては、と思いながらなかなか手が回らない時、不在時に掃除が済んでいることで、ストレスが減ったのは事実です。でも在宅勤務中にロボット掃除機を起動させると、音や動きが気になるようになって仕方ない。時間に余裕ができたこともあり、自分の手で掃除できるほうがいいと思うようになりました」(Aさん)
現在はスティッククリーナーをメインで愛用中だという。
「これまでは、ロボット掃除機の取りこぼしを、スティッククリーナーでカバーしていました。でも今は在宅勤務の合間に、ササっとスティッククリーナーで掃除が済ませられる。楽に見えたけど、結局は二度手間だったものを一度で済ませることができる。在宅勤務では、このスタイルがちょうどいいと思うようになりました。掃除をしたことを実感できるのもいいし、部屋だけでなく心までさっぱりした気持ちになります」(Aさん)