掃除や料理などの家事にかかる時間を短縮してくれる「時短家電」は、時間に追われる現代人にとって魅力的なアイテムだ。食器を入れれば自動で洗ってくれる食器洗い乾燥機(以下「食洗機」)もそのひとつで、いままさに愛用中という人も少なくないだろう。だが、いざ食洗機を導入してみたものの、使ってみると「なんだか微妙……」という感想を持つようになった人もいるようだ。実際に食洗機を導入したものの徐々に使わなくなったという人たちに、その事情を聞いた。
予洗いと食洗機の併用で水道代も時間もかさんだ
「食洗機そのものは素晴らしい時短家電だと思います。でも、手洗いに慣れた私にとっては相性が悪かったみたいで……」
そう嘆くのはメーカーに勤務する30代女性・Aさんだ。友人から猛プッシュされたことをきっかけに食洗機の購入に踏み切った。
「学生時代の友人から『食洗機はメリットしかない。もう手洗いに戻れない!』と熱弁されて、興味を持ちました。うちは家族3人ですが、食器洗いは面倒で憂鬱になるし、かといって夫に頼んだら、水や洗剤をたっぷり使うわりに、仕上がりは遅いし雑という不満があったので、それならいっそのこと奮発して食洗機を導入しようと思い立ったんです」(Aさん)
いざ卓上タイプの食洗機を購入したものの、結果的にAさんは手洗いに“出戻り”することになったという。どうしてか。
「私は食洗機で汚れが落ちないのが不安で、予洗いの段階でそれなりに洗ってしまうんです。あと、私はもともと食器は自然乾燥派なので、乾燥してくれることにはそんなにメリットも感じていなかったというか……。結局、予洗いと食洗機の併用で普段より余計に水道代も時間もかかり、中途半端な存在に。
あと、食器ならなんでもかんでも適当に放り込めばいい、というわけでもない。深さのある食器は入れ方を工夫しないときちんと洗えなかったり乾かなかったりします。漆椀はNGだし、プラスチック製のものも耐熱温度によっては入れてはいけない……。入れちゃダメで、手洗いをしないといけない食器があるなら、もう全部手洗いでも一緒じゃん、という気持ちに……(笑)。なんだかんだ制約があることが面倒になってきたこともあり、フリマサイトで売ってしまいました」(Aさん)