新年度がスタートし、多くの新社会人たちが新しい一歩を踏み出した。「これから社会人としてうまくやっていけるのか不安」という人もいるかもしれない。だが、「社会人だって必ずしも全員優秀なわけではないし、ビビる必要はない」と述べるのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。中川氏自身、社会人になる直前・直後は「会社にはどんなすごい人がいるのだろうか? 本当にオレなんかがやっていけるのだろうか?」とビビっていたというが、すぐに「たいしたことない」と気付いたという。中川氏が新社会人に向けて、気持ちが楽になる心構えを伝える。
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正直、いい年をした社会人でも「この人、大丈夫かな……」と思うような人は大勢います。だって、社会人になったからといって、突然スキルが開花するワケなどないんですから。そう考えると、「これまでの人生と同じレベルの人と自分はこれからも接する」と考えた方がいいです。
もしかしたら入社早々リモートワークで、直接会ったことのない先輩社員のすごさを、画面越しに感じる人もいるかもしれません。しかし、断言します。
「多分、そこまですごい人はあまりいません」
もっとも、「すごい」とは言わないまでも、優秀な人はたくさんいますし、あなたもその一人かもしれません。あくまでも経験値が違うだけで、おそらく生まれ持った能力や才能については、これまで自分が生きていた中で感じていた相対比較と同じレベルだと思ってよいのではないでしょうか。
高校・専門学校・短大・大学など、どんな学校を出たかは人それぞれですが、社会人になったとしても、周囲の人の優秀度合というものは、これまでの人生とさほど変わりはありません。ですので、社会人になることを過度に恐れる必要はありません。これまでは勉強をすることが本業だったわけですが、これからはお金を稼ぐことが本業になってきます。その差だけですので、人生への取り組み姿勢はこれまで通りで大丈夫です。
先輩社員「この技は大事だから覚えておけ」
ただ、懸念するのは、リモートワークが継続することです。正直、もし自分がリモートワーク時の新入社員だったら、はたして仕事人として成長できていたか? そう考えるとちょっと自信がない面もあります。
私の場合、新卒で入った会社が大企業だったため、「トレーナー」と呼ばれる9歳年上の先輩がついてくれ、彼と常に一緒に行動し、仕事のイロハを学びました。企画書の書き方や、客先での打ち合わせの際の振る舞い方に始まり、接待の際の振る舞い方や話の合わせ方など、ザ・サラリーマン的なことを直接叩き込まれ、「サラリーマン道」的なことの基礎を最初の半年で学んだのです。