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東証大再編への期待 市場区分の曖昧さによる過小評価を脱し、反転する可能性も

東証再編が日本株市場にどう影響するか(時事通信フォト)

東証再編が日本株市場にどう影響するか(時事通信フォト)

「今日この日をもって東京証券取引所は新たな3つの市場区分に生まれ変わります」──。4月4日、東京・日本橋兜町では盛大なセレモニーが行なわれ、再編が高らかに宣言された。冒頭の言葉を述べた日本取引所グループの清田瞭CEOは「3771の上場会社による持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた新たな取り組みが始まる」と続けた。

 ロシアによるウクライナ侵攻が1か月以上続いていることなどから日経平均株価が乱高下するなか、日本の中核市場が再編されるのは東証2部開設以来、約60年ぶりのこと。戦後最大の再編と言われる所以だ。

 今回の再編には「企業が代わり映えしない」など厳しい指摘がある一方で、「情勢が落ち着けば外国人投資家の資金が流入しやすくなる」(市場関係者)と期待する声も大きい。初日は「東証1部」から区分を新たにした最上位の「プライム市場」で買いが先行し、67%の企業が値を上げた。

 再編によって、これまでの「1部」「2部」「マザーズ」「ジャスダック」の各カテゴリーは廃止・再編され、新たに「プライム」「スタンダード」「グロース」に分けられた。

「流通株式の時価総額100億円以上」など厳しい基準が課せられたプライムには1839社が上場。旧1部からは8割超が横滑りした。

 プライム上場基準に達していないものの、経過措置を利用して移行する旧1部上場企業も295社あり、プライム全体の16%に上る。旧1部の企業にとって、プライム上場は何を意味するのか。マーケットバンク代表の岡山憲史氏が解説する。

「再編の主眼は上場企業にコーポレートガバナンスコード(企業統治指針)を遵守させること。企業とステークホルダー(利害関係者)の望ましい関係性や組織のあるべき姿について記述した文書のことで、経営の透明性の保持や、公正かつ迅速な意思決定を行なう仕組みとして機能します。

 これまでは1部に上場してしまえば、時価総額や流通株式数が最上位の市場にそぐわなくなっている銘柄にも資金が流入するなど弊害があったが、再編で健全な企業体質が求められるようになり、投資家が判断する上で大きなメリットになります」

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