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「企業年金のルール変更」で損する人と得する人 老後の資金計画をどう建て直すか

iDeCoの活用を

 公的年金は減らされ、企業年金も期待できそうにない。ならば、サラリーマンは老後にどう備えればいいのか。北村氏はこう指摘する。

「今回の年金制度改革では、サラリーマンがiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入しやすくなる。積極的に利用すべきです」

 iDeCoは個人で掛け金を積み立てて運用する確定拠出年金で、企業型DCと同様、原則60歳から受け取る。掛け金は所得税・住民税が非課税(所得控除)、運用益も非課税、受け取り時にも税制優遇がある。

 しかし、サラリーマンの加入には様々な制限があった。それが2022年10月以降、企業型DCに加入している会社員も、iDeCoの同時加入がしやすくなる。個別には勤務先への確認が必要だが、北村氏の指摘のように、企業年金を導入している企業でも、ほとんどの会社が掛け金の限度枠を使い切っていない。同時加入をしやすくして、企業が使い切れない企業年金の掛け金枠を社員の自己負担のiDeCoで使えるようにする改正だ。

「これから公的年金はどんどん減っていき、企業年金でもカバーできない。サラリーマンが“じぶん年金”で老後を支えるしかない。国の制度もそれに合わせた仕組みに変わっていくわけです。しかし、現役サラリーマンには、老後は先のこと、国や会社がなんとかしてくれるんじゃないかと思っている人がまだまだ多い。そうした発想は通用しないことに早く気づくことが重要です」(北村氏)

 対策は急務だ。

※週刊ポスト2022年4月22日号

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