「これがうちのスタイル」店主の回答に絶句
Aさん同様、“本来入っているはずのものが入っていなかった”という経験をしたのは、神奈川県在住の自営業・Bさん(30代男性)だ。
「油そば専門店にいったときのことです。そのお店の定番というメニューを注文して食べたら、何だか味が薄いんですよね。タレとよく絡んでいないのかなと思って、もう一度よく混ぜて食べでも、やっぱり味がしない。で、よく見たら、そもそも“タレ”が入っていなかったんです。油だけは入っていたので、ただただ無味の油そば……。それを作ったであろう店員さんの名札には“研修中”とあったので、クレームを入れるのもかわいそうだなと思って、そのままテーブルの上にあった調味料をかけて食べました」(Bさん)
問い合わせて後悔したというケースも。都内在住の会社員・Cさん(40代女性)はこう話す。
「新しく開店したうどん屋さんで、出てきたうどんが明らかに茹で上がってなかったんです。コシがあると表現するにはちょっと粉っぽすぎたので、茹で時間を間違えたのかと思って、『これ、大丈夫ですか? まだ茹で上がってないみたいなんですけど……』と店主らしき人に伝えたら、『これがうちのスタイルなんです』とキッパリ言われました。別に怒っているような口ぶりではなかったんですが、狭い店内だったこともあって、すごく変な空気になって恥ずかしかったです。今振り返っても、あれは間違いだったんじゃないかと思っていますが、その後気まずくて行っていません」(Cさん)
前出・小浦氏はこう話す。
「大規模なチェーン店の場合、客からのクレームやミスの指摘への対応マニュアルはあるはずなので、大抵の場合きちんと対応してくれるでしょう。ただし、“明らかに店側にミスがある”という場合でないと、難しいケースはあります。理不尽なクレーマーだと思われないためにも、店内の雰囲気を踏まえて、伝え方には気をつけたいところです。
また、最近は悪質な“モンスタークレーマー”の実態がSNSで晒されることも少なくない。正当な主張をしたつもりが、店側はそうは思っていなくて、悪意ある形で晒されるという可能性もゼロではありません。そういったことも考慮して行動したほうがいいとは思います」
想定していないことが起きた場合、店側に伝えるかどうかは難しい問題だ。冷静に考えて、慎重な行動を心がけよう。