駅チカ、高層階、日当たり良好……。自らの理想に近い物件を見つけても、家賃との折り合いがつかないケースは少なくない。譲れない条件を残しながら、何かを妥協する際の判断基準は人それぞれだろうが、そのうちのひとつとして挙げられるのが「洗濯機の設置場所」。もちろん「室内」にこだわる人は多いだろうが、ベランダや共用廊下など「室外」の物件もあり、相対的に家賃も安くなりがちだ。では、実際の住み心地や使い勝手はどうなのか。洗濯機を外置きするタイプの物件に住んだことがある人たちに、話を聞いた。
急ぎならコインランドリーに行けばいい
「最初は私も、先入観から『洗濯機置き場が外なんてありえない!』と思っていましたが、案外住み心地は良いですよ」
そう語ってくれたのは、IT企業に勤務する20代女性・Aさんだ。築40年のレトロなマンションに惹かれたが、唯一気になったのは洗濯機置き場が「室外」だったことだ。
「築年数は古いですが、室内はきれいにリフォームされていて、マンションの外観もレンガ調のタイルがかわいい。でも、洗濯機が外置きタイプの物件だったので、かなり悩みました」(Aさん)
その物件は、家賃や間取り、駅までの距離など、洗濯機置き場以外は理想的。迷うAさんの背中を押したのは、不動産屋の「案外慣れますよ」という一言だった。
「確かに、現実に住んでいる人はたくさんいるわけで……。最初は、『天気が悪い時に洗濯できない』とか、『洗濯機がすぐダメになりそう』とか、いろいろ考えちゃいましたが、そもそも昔なら、天気が悪い日は洗濯機を回さないのが当たり前だったんですよね。急ぎならコインランドリーに行けばいいだけだと割り切りました。洗濯が終わった時の終了音が聞こえにくいのは室外ならではですが、洗濯機と物干しの位置が近いので、洗濯が終わったらすぐに干せるのはメリットです」(Aさん)
ちなみにAさんの部屋は4階。「さすがに1階だと、洗濯物を外に干したくないので、洗濯機置き場が室外の物件は慎重に考えるかもしれません」(Aさん)と言う。