物価上昇局面で、他にないほどの値下がりをしているのが、携帯電話料金だ。総務省の公表する消費者物価指数によると、2021年は前年比約3割の値下がりとなっている。20GBのプランが値下げの主な対象となったため、頻繁に動画を観る人は新プランへの見直しが選択肢となるが、すべての人にとって最善の選択になるとは限らない。携帯見直し本舗の代表・鮎原透仁氏が解説する。
「9割以上の人が、自分が使用している月々のデータ通信量を把握しておらず、過剰な契約になっています。総務省の資料によれば、日本人の約5割は毎月2GBも使っていない。
コロナ禍の影響で自宅のWi-Fi環境を整えた人が多いことを考えると、自宅でのスマホの通信量はほとんどかかりません。電車通勤の往復でずっと動画を観ている人でもない限り、なかなか10~20GBもいかないんです。“無制限”という言葉に惹かれて深く考えず契約すると、使いもしないデータ通信のパケットのために月々7000円近くかかってしまいます」
ショップ店員に勧められるままオプションを付けている人も見直しが必要だ。携帯ジャーナリストの石川温氏がこう話す。
「ウイルスに感染した場合などのセキュリティパックを月額550円程度で付けている人が多いですが、iPhoneは基本的に性能が優れており外しても問題ないでしょう。また、留守番電話機能もなくて問題ないオプションのひとつと言える。今は着信の履歴さえ残っていれば、メールやSNSで連絡を取り合えます」
毎月使うデータ通信量が25GB以下であれば、大手キャリアの“サブブランド(同じ会社の低価格帯ブランド)”への切り替えという選択肢もある。