ただ、会社が有給を使ってくれというのは、労働者の有給の時季指定権を無視するもの。有給を使うかの判断は、あなた次第です。
コロナ禍でも安心できる就労環境が必要で、私病でも3日以上連続して休むと、健康保険から休業補償が出るのに、濃厚接触者が補償されないのも不合理です。
『労基法』が定める法定の有給休暇以外にも、就業規則で慶弔休暇など一定の場合に、有給休暇を付与するのが通例です。この特別休暇中に、伝染病罹患の虞による自宅待機の場合を加えるように会社側と交渉するのがよいでしょう。
なお、会社が合理的な基準に基づかないで濃厚接触者だと判断し、出社をさせない場合には、賃金が補償されるべきだと思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2022年4月29日号