そして、スマートパチスロに関しては“出玉性能”に関して、規制が緩和される可能性が高い。
現行のパチスロ機では“有利区間”というものがあり、その区間にいる間に出玉を増やす機能である『AT』(アシストタイム)や『ART』(アシストリプレイタイム)が抽選されているが、スマートパチスロではその有利区間が撤廃される予定だ。つまり、どの状態からも“当たり”が期待できるということで、ユーザーにとっては遊びやすくなる可能性が高い。
また、現状では“一撃”で獲得できる枚数が上限2400枚となっているが、スマートパチスロではこれが“差枚”で上限2400枚となる。たとえば、その日のその台の“収支”が、マイナス1000枚だとしたら、そこから数えてプラス2400枚までの出玉が上限となる。つまり、この場合、3400枚が上限となり、結果的に2400枚以上の出玉を獲得できるようになるという。
「スマートパチスロの出玉性能の詳細はまだわかりませんが、少なくとも現行のパチスロよりも、“出玉感”を楽しみやすいスペックになると思われます。“パチスロ離れ”するユーザーをつなぎとめる可能性もあるでしょう」
ホールの切り替えタイミングは新紙幣発行前か
スマートパチンコ、スマートパチスロは、将来的に様々な方面への活用も期待されている。
「まだ具体的な話が出ているわけではありませんが、依存症対策として活用される可能性も示唆されています。たとえばユーザーデータを収集できれば、“どのユーザーがどのぐらい負けているか”、“依存症に近い状態かどうか”などを判断することも可能になり、その対策も容易になるでしょう」
期待の高まるスマートパチンコ、スマートパチスロだが、ホールの設備を一新する必要があり、多額の費用が必要になる。
「現在はパチンコ・パチスロ人口も減っていて、経営が厳しいホールも多い。そういったなかで多額の設備投資をするのは、簡単なことではない。今年11月にスマートパチスロの導入が開始したとしても、全てのホールがそこに飛びつくとは考えにくいですね。またスマートパチスロを導入した場合、設備投資を回収するためのしわ寄せがユーザーに回ってくる可能性もあると思います。いざ出玉性能が上がったスマートパチスロを打ったとしても、そのすべてが低設定でユーザーは負けてばかり……といった展開も十分考えられます」