「金運」がよかったらなぁ……そんなことを常日頃から思っている人もいるかもしれない。たとえば、ギャンブルは金運の要素が顕著に影響すると考える人も多いだろう。では、ギャンブル運によし悪しはあるのだろうか? 科学的に検証してみよう。
「たとえば、1024人でじゃんけんの勝ち抜き戦をすると、必ず誰かが10連勝し、誰かが10連敗します。その瞬間において運のよし悪しはあるでしょうが、その人たちがその後ずっと運がいいか悪いかは、正直なところ、誰にもわかりません。ただ、ランダムにグーチョキパーを出すなら、勝負前に10連勝する確率は、全員同じということだけは確かです」
そう語るのは、大阪商業大学学長の谷岡一郎さん(社会学者)。つまり“当たるまでの運”は、みな平等ということだ。では、公営競技(競馬、オートレース、競艇、競輪)は、運で勝てるものだろうか?
「いずれの公営競技も、限られた情報を駆使して推理をするゲームですが、控除率があるため、どんなに研究をしても、『あの馬は昨日食べすぎて体が重い』などの内部情報をつかまない限り、運だけで勝つことは難しいでしょう」(谷岡さん・以下同)
賭けたお金は、どの程度当選者に配分されるのか。別掲グラフの「ギャンブル控除率」は、賭け事で胴元が得るテラ銭(手数料)の割合だ。これを見ると、宝くじは、なんと半分以上が胴元(国)に持っていかれている。
「公営競技はトータリゼーターシステムといって、控除率分を天引きします。100万円の売り上げがあれば、25万円を抜き、75万円を当たった人たちに配分するという、国が損をしないシステムです。諸外国の競馬の控除率が10~15%ですから、日本の控除率は、プレーヤーにとって非常に率が悪いと思います」