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イーロン・マスク氏 博士課程2日で中退から、総資産27兆円までの道程

ケネディ宇宙センターで打ち上げられたスペースXの宇宙船(写真/AFP=時事)

ケネディ宇宙センターで打ち上げられたスペースXの宇宙船(写真/AFP=時事)

 1995年、弟とともに立ち上げたソフトウェア会社は、4年後に高値で売却され、マスク氏は約2200万ドル(約22億円)を手にする。それを元手に、次はオンライン銀行「X.com」を設立。他社との合併を経てペイパル社が誕生し、2002年にはネットオークション大手のイーベイがこれを15億ドル(約1500億円)で買収した。

 会社の設立と合併、売却を繰り返して億万長者となると、もっと大きな夢を描くようになる。

 2002年には宇宙ロケット開発会社・スペースXを起業し、「あまりに無謀」という世間の声をものともせず、創業からわずか6年で宇宙ロケット「ファルコン1」の打ち上げに成功した。現在は「火星への有人飛行、および着陸」を目標に掲げており、その実現の途上にある。

 宇宙開発以外の分野では、2004年に電気自動車ベンチャーだったテスラ・モーターズに出資して会長に就任している。

 プライベートでは3度の結婚・離婚を経験し、離婚後はミュージシャンや女優との交際報道で世間を騒がせた。

 ロシアによるウクライナ侵攻では、ウクライナ首脳からのSNS上での支援を求める呼びかけに応え、人工衛星システムによる高速インターネットサービス「スターリンク」を無償提供。民間人からプーチン氏への宣戦布告として話題になった。これからも世間からの注目を集め続けていくのだろう。

※週刊ポスト2022年5月6・13日号

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