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イーロン・マスク氏率いるテスラ 名実ともにトヨタを超える日は近い

飛躍的な成長を遂げるテスラの電気自動車(写真/共同通信社)

飛躍的な成長を遂げるテスラの電気自動車(写真/共同通信社)

 2022年版の世界長者番付では2190億ドル(約26兆9100億円)で初の1位に輝いたのが、米電気自動車テスラのCEOイーロン・マスク氏(50)だ。

 市場では、テスラの株価は2026年までに4倍強の4600ドルに達するとも予想されている。現在の時価総額は100兆円にのぼり、トヨタ自動車の36兆円をはるかに上回る。2021年の世界販売台数はトヨタが1000万台超とテスラの93万台を大きく引き離し、トヨタは電気自動車でも2030年に350万台の販売目標を掲げているものの、名実ともにテスラがトヨタを超える日も近いと言えるのだろうか。

 2014年にマスク氏を取材したジャーナリスト・大西康之氏はこう話す。

「販売台数というのは過去の話で、時価総額は未来の話。そう考えると、テスラは未来の尺度のもとでトヨタに勝っていると言えるでしょう。

 そもそもトヨタとは競っている次元が違う。マスク氏もテスラも自分たちのことを自動車メーカーではなくエネルギーや環境問題を解決する会社だと思っている。アメリカでは、テスラの自動車を購入する人たちは必ずと言っていいほど、ソーラーパネルと蓄電池をセットで買っています。彼らにとって自動車はそれらのように地球環境問題を解決するデバイスのひとつなのです」

 かつてハリウッドのスターがトヨタの「プリウス」でレッドカーペットに乗りつけ、それが環境問題に先進的に取り組んでいることの“象徴”だった時期もあるが、完全に取って代わられたという指摘である。

 経済アナリストの馬渕磨理子氏はマスク氏の経営手腕に期待を寄せる。

「試作品を作るスピード感が他の経営者と比べてずば抜けており、投資家の支援や共感を集めやすい。『人類の未来に最も貢献できる事業は何か』という視点で、あらゆる事業をスタートさせ続けているのも革新的です」

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