物件探しにおいては、場所・価格・広さ・間取り・駅からの距離・日当たり・築年数等、人によって重要視するポイントは様々だが、騒音も大事なポイント。「うるさくてもいいや」という人は少数派ではないだろうか。しかし日本の住宅事情では、大通り沿いや高速道路沿いにも物件は多くあり、実際にそこに住んでいる人も多い。はたしてその住み心地はいかがなものか、聞いてみた。
神奈川県に住むトシアキさん(50代/男性)はすでに20年近く、首都圏の大動脈である国道沿いのマンションに住んでいる。目の前の道路は片側2車線で、昼夜を問わず凄まじい交通量で、付近の地名はラジオの渋滞情報の大常連。なぜそんな場所を選んだのか?
「私は一戸建てではなくマンション希望でしたが、どうしても住みたい街があり、予算と合わせて検討すると、国道沿いのマンションしか選択肢がありませんでした。大通り沿いというマイナスポイントがあるので、相場よりも少し安かったのです。
モデルルームでは、何度も騒音について説明を受けました。当時カセットテープに録音された現地の“騒音”を、ラジカセで聞かされたものです。窓を開けた時、続いて窓を閉めた時の騒音レベルを体験した結果、我慢できるレベルだと思い、購入を決断しました。それから20年近く住み続けていますが、事前に覚悟していたこともあり、騒音は“思ったほどではない”という感想ですし、新築だったからか振動もありません。
確かに国道沿いで騒音はありますが、私としては、無理をしてでも住みたい街を選んだのは正解でした。交通の便が非常に良いので、住みたい街として注目度が下がることはなく、住宅価格も上昇。まもなく築20年ですが、売りに出せば買った時とほぼ同じ価格で売れそうです」(トシアキさん)