検査所からは無事「陰性」の知らせが届いたが、橋賀さんがその後真っ先に向かったのはまたしても検査所だった。
「日本に帰国するためには、帰国便の出発時刻から遡って72時間以内に現地で検査を受け、陰性証明書を準備する必要があります。5日間の海外旅行であれば移動時間を考えると、入国してすぐに帰国用の検査を受けることになります。この結果が出るまでは気が休まりませんでしたね。もし陽性なら日本に帰国できないうえ、タイで10日間も隔離されてしまいますから」
4回目は帰国後に成田や羽田空港で受ける抗原検査。もしここで陽性になれば、14日間の隔離生活を余儀なくされる。実際、2022年2月からの1か月間にタイから帰国した人のうち、約1.24%がこの検査で陽性になっている。現地で陰性判定を受けていたことを考えると、決して低い確率だとはいえないだろう。
「今回、私は一人旅でしたが、家族と旅行した場合、誰か1人でも陽性になったら全員が濃厚接触者になって隔離が必要になる。そうなれば取っていた休暇よりもさらに長く休む必要があり、仕事や日常生活に重大な影響が出てしまいます。検査の不安を考えると、海外旅行のハードルはまだまだ高い。今後は私も検査が撤廃されるまで、国内旅行に切り替えようと思います」
ただし各国、入国時の規制は少しずつ緩和されつつあり、フランスやドイツなどヨーロッパではすでにPCR検査を必要としない国もある。
「日本も、欧米に足並みを揃えて夏には入国時の検査をなくす方向に向かうのではないかと推測されます。早ければ今年の夏休みにはストレスなく海外旅行に行けるようになるはず。ただし、必要な書類や登録すべきアプリなど渡航のために準備すべきものは各国の感染状況に合わせて刻一刻と変わっており、システムも複雑です。いまから海外旅行を計画するなら、添乗員付きのツアーにした方がラクで安心です」
入念な下調べや予約とともに必須なのはコロナワクチンを3回接種していることだ。
「3回の接種を済ませていない場合、ほとんどの国で出入国時に隔離期間が設けられてしまいます。また、6月以降に再開される予定の『Go Toトラベル』も2回のワクチン接種および2週間以内の陰性証明か3回の接種が必要になるでしょう」(富本さん)
※女性セブン2022年5 月12・19日号