じゃあ「お嬢さん」と呼べばよいのか?
メーカーに勤める20代男性・Bさんは既婚で、3歳の子供がいるが、「お父さん」「お母さん」という呼び方は、「お兄さん」「お姉さん」とは異なるニュアンスが気になるという。
「お兄さんは、血縁関係はないものの『若い男性』もしくは『年上の男性』を示すわけですよね。でも、『お父さん』『お母さん』は、年上という意味合いのほか、生活感とか、子供を連想させるものだと思います。
僕は近所の青果店の、50代くらいの女性店員から『お兄さん』と呼ばれた時に、雑談で、実生活では父親であるといった話をしたことがあったのですが、『お父さんに見えない』と言われました。その店員さんいわく、『お父さん』は、くたびれて、どこかやつれていて、どう見ても40代は超えている感じの人に対して使うんだそうです。僕が『お兄さん』と呼ばれなくなるのはいつなのか、興味深いです」(Bさん)
そんなBさんは、「テレビ番組でタレントが使う言葉は参考にしないほうがいい」と感じているという。
「高田純次は、『じゅん散歩』(テレビ朝日系)で、街中のどんな年齢の女性でも『お嬢さん』、男性には『大将』と呼んでいることが多いように思います。紳士的で嫌味もない。合理的な呼び方と感心しましたが、実際に僕が街なかで『お嬢さん、道を教えてください』とか言ったら、ものすごく警戒されますよね……。そもそも知らない人に気さくに呼びかけるのは、芸能人のように顔が知られている人たちだからこそ、通用するんだと思います」(Bさん)