「日本事業」の売上高は、4年で約2倍に
日本法人であるアマゾンジャパンが日本でいくら納税したかがわかる唯一の年が2014年だ。当時は株式会社だったアマゾンジャパンとアマゾンジャパン・ロジスティクスが官報に発表した決算公告によると、2社合計で売上高が899億円強で法人税が約10億8000万円となっている。『潜入ルポ amazon帝国』の著書もあるジャーナリスト・横田増生氏が解説する。
「米国のアマゾン本社が発表している『年次報告書』によると、2014年の日本での売上高は79億1200万ドル(約8700億円)で、決算公告に記載された売上高はほぼ10分の1に減少している。その差額は、アマゾン特有の税制スキームにあって、アマゾンジャパンは補助的な業務を代行して米国のアマゾン本社から業務委託報酬を受ける形で運営されていたため、収益も低く抑えられていたようです」
もっともその後、2019年12月には、「2017年12月期と2018年12月期にそれぞれ150億円、計300億円の法人税を納付していた」と新聞各紙で報じられている。また、それらの報道によれば、日本法人の売上高は米国本社からの業務委託報酬から、国内で直接的に収益を得る仕組みに変更されたという。
その後、日本事業の売上高も右肩上がりで伸びているようだ。現在、アマゾンジャパンは合同会社であるため決算などを開示していないが、米国本社が公表している「年次報告書」などをもとにした「日本事業」の売上高は、納税が報じられた2017年に119億700万ドル(約1.3兆円)、2018年に138億2900万ドル(約1.5兆円)を計上している。
その後は、2019年に160億200万ドル(約1.7兆円)、そして2020年に204億6100万ドル(約2.1兆円)に達し、2021年には230億7100万ドル(約2.5兆円)とコロナ禍でも大きく伸びている様子が見て取れる。
売上高の推移だけを見ても、2021年は2017年の2倍近くまで増える好調ぶりだ。その後の法人税の納税額について、アマゾンジャパンに聞いたところ、詳細については公表していないとしたうえで、納税に関して、「Amazonは事業を運営しているすべての国や地域で、法令を遵守し納税しております。アマゾンジャパン合同会社は、日本で登記され納税している法人です」とコメントした。