「いかに日常を維持するか」が勝負
そして【2】の「仕事開始日にいつものルーティンをする」ですが、大型連休明けの月曜日と捉えるのではなく、「いつもの月曜日」といかに捉えるかが大事です。その際、普段の平日は朝起きてすぐにNHKのニュースを見るような生活をしているのであれば、同じように行動する。そうした「日常」感をいかに獲得するかが、大切です。
「五月病」という言葉もありますが(正式な病名ではない)、基本的には新入社員や新たな部署で働き始めるなど、4月から環境が変わった人に多く発生するものと思われがちです。でも実際は、仕事をしていれば誰にでも当てはまるものでしょう。忙しい年度始まりから1か月後、ようやく休めたと思ったら、再び激務の日々に追われるわけですから。
だからこそ連休明けは、「いかに日常を維持するか」ということが勝負になります。日常を維持する方法は、他の月の過ごし方を振り返ればいいだけです。10月にあなたは何をやっていましたか? 2月にあなたは何をやっていましたか?
それを思い返せば、別に5月だって特別な月ではありません。私の場合、2月は基本的には締め切りをこなし、定例の会議をやっていただけ。5月もそれと同じなのです。「いつもの月が開始したな」程度に思えばよいのです。
大型連休というのは特殊な期間ですので、むしろそれこそが非日常であり、5月9日以降が通常のモードだと考えればいいだけではないでしょうか。ヘンな根性論に聞こえるかもしれませんが、これが私なりの連休明け対応策になります。
というわけで、朝、ニュースを見て、朝食を取り、いつもと同じように通勤することができれば、連休明けも「日常」に戻ります。普段のルーティンを「これぞ当たり前の日常」と捉え直すマインドこそ重要なのではないでしょうか。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『炎上するバカさせるバカ 負のネット言論史』(小学館新書)。