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5月から加入年齢上限引き上げの「iDeCo」 60才過ぎても加入すべきか

制度変更された「iDeCo」をどう活用する?(イラスト/大窪史乃)

制度変更された「iDeCo」をどう活用する?(イラスト/大窪史乃)

 4月から年金制度が大きく変わった。年金の受給開始時期を遅らせることで年金額が増える仕組みになっている「繰り下げ受給」や、働きながら受け取る「在職老齢年金」などの仕組みが改正され、新制度をうまく使えば、受給額を大きく増やすことも可能になった。とはいえ、不安はぬぐえない。

 令和元年度の生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によれば、「ゆとりある老後生活費」に必要な金額は夫婦で月36.1万円。仮にこれを65才から20~25年間続ければ、ざっと8000万~1億円が必要ということになる。もはや「老後2000万円問題」どころではない。

 もちろん、自分で全額用意する必要はなく、公的年金や退職金を差し引いた金額になるわけだが……それにしても、頼みの綱であるはずの公的年金は目減りが避けられない。仮に基礎年金の受給を70才まで繰り下げたとしても、90才までの間に受け取れる年金の合計は約2329万円だ。

 普通に年金をもらっているだけでは、思い描くような「ゆとりある老後生活」になるとはなかなか考えにくいだろう。

 そこで、公的年金だけでは足りない分の老後資金を準備するために考えておきたいのが、「じぶん年金」だ。

 じぶん年金とは、自分や夫が働く会社や国民年金基金、民間の金融機関などにお金を積み立てて老後資金をつくる「私的年金」であり、それらの制度も、この春により使いやすく改正されているのだ。

「トリプル節税」でずっとお得

 まず、正社員、パート、アルバイトにかかわらず、働いている人なら真っ先に加入を検討すべきなのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」。

 あらかじめ受給額が決まっている基礎年金や厚生年金とは違い、運用次第で年金額が変わる。

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