多くの人が直面するであろう「実家の処分」という問題。空き家のままにしていると固定費の支払いに追われるだけでなく、予期せぬトラブルに巻き込まれることもある。岐阜県在住の65歳男性は、「実家」を巡る面倒な事態についてこう嘆く。
「両親が亡くなった後に、実家の押しつけ合いが始まりました。姉と妹は『長男がなんとかすべき』の一点張り。取り壊して土地を売ればいいと甘く考えていたが、取り壊し費用と土地の値段を査定したら、壊すのに300万円かかるのに100坪の土地は1万5000円でしか売れないと言われた。
妻からは『こんなゴミを押しつけられて! 費用は我が家だけが負担すべきじゃない』と怒られ、取り壊しは断念しました。私が維持に必要な費用を支払い、姉と妹が月に一回実家の様子を見に行くということで一旦落ち着きましたが、ずっと放置するわけにもいかず困っています」
解決策が見出せないまま、すでに3年が経過しているという。
年40万円以上の出費が
いざ処分すると決断しても、立ちはだかるのが家具など遺品の整理だ。
「茨城の実家を相続し、解体処分しようと決めたのですが、その前に家電や家具を処分しないといけない。特に困ったのが仏壇。けっこう立派なものなので、私の狭い家には置き場所がない。解体して捨てたりしたら、バチが当たりそうで……」(東京都在住・68歳男性)
家具類の処分には体力が必要だし、業者に頼めば費用もかかる。結局、面倒になってそのままにしているという。