ここまでは、著者の見方に全面的に賛成なのだが、一番驚いたのは、バブル崩壊への対処法だ。著者は、日本株を推奨しているのだ。米国株の下落で、日本株も一時的に下落するが、その後日本株は上昇するだろうと言うのだ。
確かに、米国株と比べて日本株は割安だ。また、ここのところの円安で、海外投資家にとっては、もっと割安になっている。習近平政権の共同富裕政策を嫌って、中国富裕層のマネーが流入してくる可能性もある。私自身は、米国株の暴落後は、世界恐慌になると考えているのだが、著者はインフレ継続の可能性があるとみている。いずれにせよ、資産運用をしている人は必読の書だ。
※週刊ポスト2022年5月27日号